施工管理の資格として、よく名前が出るのが「施工管理技士」です。「学歴がないと受けられないのでは」「実務経験がないと何もできないのでは」と心配する人もいるかもしれません。
2024年度(令和6年度)から、この資格を受けるための条件(受検資格)が見直されました。このページでは、施工管理技術検定のしくみと、見直しの中身を、国土交通省の資料で整理します。細かい条件や日程は毎年変わることがあるので、最後に確かめ方もまとめました。
施工管理技術検定の流れ(令和6年度から)
施工管理技術検定のしくみ
施工管理技術検定には、7つの種目があります。土木、建築、電気工事、管工事(空調や給排水などの配管)、電気通信工事、造園、建設機械の各施工管理です。それぞれに1級と2級があります(国土交通省 技術検定の種目と指定試験機関)。2級には「種別」があり、たとえば土木なら土木・鋼構造物塗装・薬液注入に分かれます。
試験を行うのは、国から指定された試験機関です。土木・管工事・造園・電気通信工事は全国建設研修センター、建築・電気工事は建設業振興基金、建設機械は日本建設機械施工協会が担当しています。
試験は、第一次検定と第二次検定に分かれています。建設業法27条では、第二次検定は「技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力」を判定するものとされています。
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令和6年度からの見直し
受検資格の見直しは、2024年(令和6年)4月1日に施行され、令和6年度の技術検定から適用されました(国土交通省 よくある質問)。
主な変更点は次のとおりです。
- 第一次検定は年齢の条件だけ。 1級は19歳以上、2級は17歳以上です。2級の条件は変わっていません(国土交通省 報道発表)。
- 年齢は「年度末の時点」で見る。 受検する年度の3月31日に条件を満たしていればよく、試験の日に満たしている必要はありません(国土交通省 よくある質問 Q2)。
- 学歴と関係しない条件になった。 見直し後の受検資格は、卒業した学校や学科と関連しない要件です(国土交通省 受検資格の見直し)。
- 第二次検定は、第一次検定の合格後に実務経験を積んで受ける。 1級・2級とも、第一次検定に合格したあと、一定の期間の実務経験を積むと第二次検定を受けられます。
なお、電気工事など種目ごとに案内が異なる場合があるため、受ける種目の最新の案内を確認してください。
つまり、建設の経験がなくても、年齢の条件を満たしていれば第一次検定には挑戦できます。ただし、第二次検定には実務経験が必要です。「年齢だけで技士になれる」わけではない点に注意してください。
経過措置と、1級技士補・監理技術者補佐
見直しの前に決まっていた受検資格(指定学科を活用したものなど)でも、令和10年度までは受検できる経過措置があります。令和6年度から令和10年度までは、見直し前と見直し後のどちらの受検資格でも、第二次検定を受けられます(国土交通省 よくある質問 Q4)。
また、1級の第一次検定に合格したあとに、監理技術者の仕事を補佐する「監理技術者補佐」として1年以上の実務経験を積むと、1級の第二次検定を受けられる道も示されています(同 Q6)。
第一次検定の合格者は「技士補」、第二次検定の合格者は「技士」を名乗れます。資格との関係では、1級の技士は監理技術者または主任技術者に、2級の技士は主任技術者になれるとされています。1級の技士補(主任技術者になれる条件を満たす人に限る)は、監理技術者を補佐する者になれます(国土交通省 施工管理技術検定)。主任技術者や監理技術者については、施工管理の仕事の記事を読んでください。
未経験の人は、どこから始めるか
ここは運営会社の整理です。建設の経験がない人にとって、見直し後のしくみは、入口が見えやすくなったといえます。第一次検定は年齢の条件だけで受けられるので、学歴や経験を気にせず、まず勉強を始める道があります。第一次検定に合格して技士補になれば、その後の実務経験を積む道へ進みやすくなります。
とはいえ、合格は約束できません。試験の勉強は、働きながら進める人もいれば、学び直しの時間をとる人もいます。自分の生活に合う進め方を、早めに考えておくとよいでしょう。会社によっては受検の費用や勉強の時間を支えてくれる場合もありますが、これは会社ごとに違うので、面接のときに聞いてみてください。
制度の見直しは2回あった
技術検定のしくみは、2回にわたって見直されています。1回目は令和3年(2021年)4月1日の施行で、令和3年度の試験から、第一次検定と第二次検定を分けた新しい制度になりました。このときに、第一次検定の合格者が「技士補」を名乗れるようになりました(国土交通省 制度改正の一覧)。2回目が、この記事で見てきた令和6年度からの受検資格の見直しです。
もう一つ、先の予定として、土木と建築の種目では、一部の検定を免除する見直しが令和11年度以降の技術検定を対象に検討されています。手続きは、国土交通省のよくある質問の記載時点では検討中とされていました。決まった内容は、最新の案内で確かめてください。
最新の情報の確かめ方
必要な実務経験の年数は、種目や級、これまでの学歴などで変わることがあります。試験の日程や受検料、合格率は毎年変わります。この記事では、これらの数字は扱いません。受けたい種目の指定試験機関が出している最新の受検の手引きで、ご自身の条件を確かめてください。
次にやること
- 受けたい種目(建築、土木など)を、仕事の内容から考えてみる
- 年齢の条件を、年度末の時点で確かめる
- 最新の受検の手引きを、指定試験機関のページで確かめる
- 迷ったら、このページの下の LINE から相談する
事実確認
確かめた日は2026年10月22日です。出典のページを開いて、次の事実を確かめました。
- 7種目、1級・2級、2級の種別、指定試験機関:国土交通省「技術検定の種目と指定試験機関」。
- 令和6年度から適用、年度末の時点で見ること、経過措置(令和10年度まで)、監理技術者補佐の実務経験:国土交通省「よくある質問」(Q2・Q4・Q6)。
- 1級19歳以上・2級17歳以上の年齢要件:国土交通省の報道発表。
- 学歴と関連しない要件、経過措置:国土交通省「技術検定の受検資格の見直し」。
- 技士補・技士の呼び名、資格と配置の関係:国土交通省「施工管理技術検定」。
- 令和3年4月の制度改正、令和11年度以降の一部免除(検討中の記載):国土交通省の制度改正の一覧・よくある質問(Q5)。
実務経験の具体的な年数、試験日、受検料、合格率は、今回確かめていないので載せていません。出典にない運営会社のまとめは、「つまり、建設の経験がなくても〜」の段落と「最新の情報の確かめ方」「次にやること」です。